摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

道楽山(964m)・・・・・・忠清北道・丹陽郡・・・2014年9月25日

昨日は、ほとんど一日中土砂降りの雨だった。傘を持って無いので、

町に出るにも、ままならず宿に引き籠っていた。明けた今日は曇り空。

まだ暗い朝6時から,バス停を探すが、乗車出来たのは7時半を過ぎ。

運転手さんに、上仙岩(ソンサンアム)で下して欲しいと、頼んでおいた。

美しい丹陽川の渓谷沿いをバスは走り、下仙岩、中仙岩を経て上仙岩。

橋を渡った所にある立派な建物は、国立公園のレンジャーセンターだ。

上仙岩からは、谷を挟んで左右2本の登山道が、山頂に向かっている。

上りはアップダウンの激しそうな、右回りの道を選ぶ。高粱の横を通る。

道楽山は月岳山国立公園に属する。今年から公園内の入山時間の

制限措置が取られるようになった。この山では、夏季は午後2時まで、

冬季は午後1時までとされている。登山口には門扉まで設けられた。

ほんの少し登るだけで、展望が広がる。ガスも上がり始めているが、

この先どうなるのだろう。天気予報では、徐々に良くなるはずだが。

登山道には露岩が多くなる。かといえ険しい訳ではない。丸い露岩。

展望台らしきがある。崖の端にある岩に、家族が蹴りを入れているが、

もちろんカッコだけで、本当に蹴ってはいないし、岩は動くはずも無い。

此処までは登り一方だったが、前方に鞍部。その先には急な登り返し。

急な鞍部への下りには、階段が設置されている。思ったよりは下らない。

登り返しは鉄の手摺り。足場がなくて、これが見た目より腕力を使う。

一旦登ったものの、また鞍部に下り、登り返しの階段道。大分疲れた。

前方に上仙岩から登ってくる、もう一つの尾根が見えた。後少しだが、

もう息が続かない。道端に座りこんで休憩にする。何か口に入れよう。

山頂へ向かう稜線は、山腹が広大なスラブとなっている。韓国らしい

風景だが、この場合稜線上は、樹林の穏やかな道であることが多い。

丹陽川の対岸には、山の中腹に村や畑が見えて、道路が登っている。

一休みしたので出発しよう。主稜線へ出れば、道は緩やかになるはず。

一登りで、北側の尾根との合流点に到着。頂上までは、後600mだ。

大きな露岩があったりするが、思った通り緩やかな主稜線を歩いて行く。

キレットを渡る橋がある。上の写真は、渡りきった所で振り返ったもの。

樹林に囲まれ、展望の無い山頂に到着した。観光案内所で貰った地図で、

この山の西には、黄庭山という魅力的な山があるらしい。このまま縦走が、

できないかと思い、500mほど進んでみたが、道らしい道も無く断念した。

下山しよう。さっき通った同じ岩場も、向きが違えば、印象が随分異なる。

尾根の合流点から、登りとは違う尾根を下る。此方の方が登山者が多い。

上の写真は、登って来た尾根を俯瞰した。こんなアップダウンだったのか。

南西に見えているのは。月岳山か。此方のコースは、登ってくる人が多い。

となると「頂上まで後どのくらい?」とか、「此処は何処?」聞かれるのだが、

直ぐに答えられない。しばらくして何て聞かれたか、翻訳するが時既に遅し。

北東に、小白山(ソベクサン)の天文台。この尾根はアップダウンが少ない。

途中であった、日本語の出来る若いアジュマに、「どうして、こんな急な道を

下るんですか?」と聞かれる。他に緩やかな道があったのか、未だに疑問。

国立公園の案内図に記してある道は3本。上り下りに使った2本と、南下る

もう1本。ただこちらは下山してから、バス停までが遠い。まあ登った分は、

ロープウェイやケーブルでもない限り、下らねばならないだろうと、諦観する。

確かに下るにつれて、道は急になり、ロープの貼られた岩場も出てくる。

登山口まで戻って来た。一休みしたが、まずはバス停に行ってみよう。

驚くべきことに、このバス停には時刻表が張ってあった。それも始発の、

時刻が書いてあるのではなくて、このバス停の通過時間が書いてある。

恐らく韓国では、初めて見ると思う。ちゃんとバス会社の作ったものだ。

バス停から望む道楽山。向かいの食堂のアジュンマが、話しかけてきて、

「12分。」と言ってくれる。つまり後12分後にバスが来ると教えてくれた。

そういう言い方をするのか。そして時刻表通り3時ちょうどにバスが来た。