摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

錦繍山(1016m)・・・・・・丹陽郡&堤川市・・・2014年9月26日

今回は初日が土砂降りの雨だったので、丹陽には3泊する羽目になる。

観光地である丹陽郡の市内バスの難解さについては、別項で記したい。

今日も、登山口に辿り着けるか怪しい。2本逃したらタクシーに乗ろうか。

錦繍山は丹陽市内から山一つ西側にある。バスはその山を北側から

回り込むのか、南側からなのかも分らない。6時半から待っていたが、

案の定、6時50分のバスは来なかった。時刻表の見方が悪いのかも。

始発7時45分のバスが、8時過ぎに来た。錦繍山の麓に行くという。

村の名前は上里(サンリ)だが、降りたバス停はチンドンという名前。

運転手に登山口で下してくれと言ってなければ、分からなかったろう。

道標も無い車道を、高みに向かって歩いて行くと、30分程の所に広い

駐車場があり、錦繍山の案内図があった。もちろん丹陽郡の設置した

物なので、堤川市側の登山道は一切無視している。まあよくあること。

更に10分ばかり歩くと車道の終点となり、此処にも数台停められる。

錦繍山と書かれた石碑があって、実質的な登山口だ。此処の東屋で

キムパブ1個と薬菓の朝ごはんを摂る。錦繍山頂は雲を被っている。

しばらく石畳の道が続いている。運動器具の置かれた公園に至る。

住宅街の近くなら兎も角、こんな農村で使う人がいるのかと思うが、

キレイに清掃されているし、存外人気はあるようだ。ただ道は単調。

国立公園の設置した門扉があった。入下山時間を制限するものだが、

毎日、開け閉めしているのだろうか。周囲には、大きな栗の実が沢山

落ちている。拾いたいが食べる術が無い。ベンチで一休みし歩きだす。

1時間程で標高770mの地点に到着。此処までは単調な樹林の道。

頂上までは900m。麓から見上げた時は、急傾斜の道が続くのかと

思ったが、意外とそうでも無かった。主稜線までは、もう一登りだろう。

一段上には水場が有った。岩の多い韓国の山は、この標高では谷は

伏流することが多い。かなり貴重な水場。平たい石が敷き詰められて、

清浄な環境になっている。此処から上方は、岩の詰まった谷筋を登る。

両岸の岩場が迫ってくると、主稜線も近い。木製階段を登って行く。

ほどなく主稜線に到着した。錦繍山頂上まで、あと300mなのだが、

この左手に展望の良い岩がある。山頂が必ずしも好展望と限らない。

しばし休憩しようか。韓国最大の人口湖である忠州湖を見下ろす。

後で、この入り組んだ湖の畔を歩き回るとは、思ってもいなかった。

西にマントク峰を望む。この山を巡って堤川市側に下る道もあるが、

さして良い展望も得られそうに無い。と理由を付けて止めておこう。

重い腰を上げて、山頂に向かう。ようやく山名を現わすかのように、

紅葉した木々が見られるようになった。此処からは階段道が多い。

此の場所に本当に必要かどうかは別として、木製階段は展望台も

兼ねた観光施設である。登山客誘致には、必須のアイテムなのだ。

だから大抵の山で、山頂の近くに木製階段が現れる。必要な

場合もあるが、どうして此処にと思うことも多い。周囲の景色を

楽しみながら、ゆっくり登って行く。それほどには疲れていない。

最後の急な階段を登りきって、狭く尖った岩場の頂上へ到着した。

人が行き交うのも難しい岩場なので、木製のテラスが作ってある。

南側はこんな感じ。テラスの隅に座り込んで、菓子パンの昼食。

展望も、先ほどの岩場ほど良くない。休んでおいて正解だった。

それほど長居する場所でない。次のハイカーが登って来た所で、

早々に下山しよう。堤川市の上里に、直接下るコースに向かう。

最初の内こそ岩場もあったが、すぐに単調な樹林の道となった。

展望も良くないし、変化も乏しい。それでいて、登った満足感が

ある山だ。麓から見上げた山容が立派だったからかも知れない。

2時間弱で登山口に下って来た。上里の村は直ぐそこなのだが、

どうやら近くに滝があるらしい。せっかくなので見に行ってみよう。

5分ほどで滝下に到着。写真が下手で大きさが表現できてない。

対岸に渡り登ると、滝見の展望台があり、全体が見えるらしい。

そこまでの体力は残ってないので、下部だけで満足して帰ろう。