摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

黄梅山(1108m)前篇・・・・・・慶尚南道・陜川郡・・・2014年5月6日

大邱の西部停留所から発車したバスが、陜川に到着したのは夜の8時。

バスターミナルの待合室も、既に閉まっていて真っ暗。明日の市内バスの

乗車場所を探して町を一回りする。だがバス停自体が無く全く分からない。

市外バスターミナルから発車するのかもと思い、真っ暗な中を乗車場所の

時刻表を探す。やっと三嘉経由のドクマン行きが、7:30にあることを発見。

到着してから1時間ほど掛った。近くの宿にオンドル房25000Wで泊まる。

翌朝7時過ぎにバスターミナルへやって来た。黄梅山(ファンメサン)へ行く

らしきカップルにバスの便を聞かれるが、元より我々もそれほど自信がない。

運転手に確かめて、一緒に乗車した。他に観光客や登山客らしきはいない。

1時間程走ると三嘉(サムガ)のバス停。ここでなんと40分の停車となる。

他方面から来たバスから、登山客数組が乗り替えて来た。再び発車する。

車内でアジョシに下車場所を聞いたが、答えはさっぱり分からなかった。

というよりも、質問が通じてなかったみたい。だが、心配は要らなかった。

峠状の所で、登山服姿の乗客は全て下車し、アジョシも我々に降りろと

目で合図してくれた。駐車場や売店があり、交通整理の人もいて賑やか。

今日5月6日は、釈迦誕生日(ソッカタンシニル)で休日。お寺参りの

お婆さん達の後をゆっくり登って行く。ふと気づいたのだが、帰りの

バスの時刻を聞くを忘れた。郡のHPでは午後3時頃だったけど・・・。

しばらく林道を歩いて行くと、本当の登山口らしきところに到着した。

此処からは樹林の道だが、バス道で、そこそこの標高を稼いでいる。

すぐに岩尾根に出て展望も開けた。同じバスで来た人達は、どんどん先へ

進み置いて行かれてしまう。我々は周囲の景色を楽しみながら登って行く。

恐らく韓国の人達には、こんな岩場は、何でもない風景なんだろうが、

我々にとっては、珍しい景色だ。すぐに立ち止まって、見惚れてしまう。

これから歩いて行く岩尾根も見事だ。険しいようでいてそうでもない。

フリクションが良く効くし、広い岩場を、コースは九十九に登って行く。

振り返ると随分急な岩場に見えるが、歩いている感じは、そうでもない。

麓の村の棚田が、良い感じに見えている。韓国でも珍しい景色だろう。

これから、目指すモサンジェには、対岸に見える尾根にも道があるよう。

黄梅山の前衛峰ではあるが、この岩尾根の周回コースだけも楽しかろう。

標高が上がると斜度もキツくなる。岩に張り付いてツツジが咲いている。

とても急な階段だ。アジュマが急すぎると文句を言いながら登って行く。

確かに急で、一気に高度が上がり対岸の岩尾根を、見おろすようになる。

急な階段を登りきると、岩のプラトー。大きな三角形の岩がチョコンと。

イカーが、一休みするに絶好の場所だ。我々もゆっくりしたい所だが、

何しろ下山してからの、バスの時刻が分からない。とにかく先に進もう。

岩尾根を100mも上ると、樹林帯に入る。ツツジの大木がキレイだ。

一登りで平たい岩場に到着。モサンジェ(767m)黄梅山の前衛峰だ。

モサンは茅山。ジェは峠の意味がある。確かに黄梅山に向かうには、

この山を越えなければならないので、峠という呼び方も違和感がない。

モサンジェから先ほどの急な階段道を望む。この風景が観光パンフに

よく使われている。この岩場をモサンジェと、呼ぶのかとも思っていた。

北側を見ると、黄梅山が雄大な姿を見せている。まだ先は長いようだ。

いったん緩い下り道を鞍部ま下って、登り返して行く。この辺りから、

カラムラサキツツジの花が、見られるようになる。緩やかな道が続く。

登るにつれ、ツツジの株が多くなる。此の先も、もっと期待できそうだ。

ほぼツツジの株しか生えていない、風化した花崗岩の壁を登りきると・・。

カラムラサキツツジの、お花畑が広がっていた。びっしりと密生している。