摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

黄梅山(1108m)後篇・・・・・・慶尚南道・陜川郡・・・2014年5月6日

五月晴れに恵まれた5月6日。韓国では釈迦誕生日という祝日。

陜川のバスターミナルから、モサンジェ入り口まで2時間かかり、

さらに2時間近く登って、黄梅山の肩辺りまでやっと登って来た。

其処は、カラムラサキツツジが一面に密生する、お花畑だった。

でもなんだか、今までの行程に比べると人の姿が多い。それに、

登山というより、軽い行楽スタイルの人を、チラホラと見かける。

お花畑を進んでいくと、山上に大きな駐車場があるではないか。

これには、かなりガッカリ。黄梅山の緩やかな山容がアダとなり、

ここまで立派な車道が通じている。陜川郡のツツジ祭りが開催中。

数多くの人が訪れるので、山上は公園のように整備されている。

確かにキレイな所だが、歩いて登って来たことを思うと興醒め。

この付近まで来ると、駐車場から来た観光客がほとんどとなる。

道端の平たい岩に座りこみ、パリ・バゲットの菓子パンで昼食。

黄梅山の頂上は、まだ2kmもある。花見は止めて先を急ごう。

良く踏まれたというか、訪れる人が多すぎて、荒れた広い道。

右手の駐車場からの道は、どうやら簡易舗装してあるようだ。

山頂へはボードウォークが設置されていた。こでもしなければ、

周囲のツツジは踏み荒らされ、赤土の露出した道になるだろう。

ボードウォークは傾斜が増すと、階段になり山頂を目指して行く。

数珠つなぎの登山者の列で、写真を撮るのもままならずに歩く。

ようやく踊り場から振り返って1枚。実に広々とした高原風景だ。

階段道が終わっても、登る人下る人交錯し、岩場等は渋滞気味。

山歩きというよりも、ラッシュアワーの鉄道駅を歩いているようだ。

人々が山盛りに、乗っている岩のピーク。あそこが山頂だろうか。

確かに山名碑があるので頂上だ。記念写真を撮るどころではない。

だが最高点に登りたいのは、当然で皆さん果敢に挑戦されている。

我々は時間が無いので、隙間をよじ登り、山名碑にタッチだけした。

北東へ少し進むと、先ほどまでの喧騒が、嘘のように静かになる。

でも振り返ると、頂上の岩はやっぱり、多くの人で混み合っている。

此の先、中峰、下峰というピークを越えて、道は続いているのだが、

バスの時間を考えると、全部を歩いて行くのは、無理なように思う。

適当な所で、南側の屯内里へ下る方が良いのだが、道はあるかな。

山頂は大混雑だったが、多くの人は駐車場から往復だったよう、

縦走路を歩く人は少ない。バスの時間は、気になっているけど、

まだ旅行の2日目。乗り遅れたら、それなりに方法はあるだろう。

北側に陜川湖が見えてきた。この湖の周囲にも2・3登りたい山が

あるのだが、バスの便が有るのか、どうかも分からず、あきらめた。

やがて道沿いに東屋があらわれ、ハイカーが数人休んでおられた。

ここから南に下る道がある。道標もあるが何処へ下るか分からない。

それは先へ進んでも同じことなので、潔く、此処から降りてしまおう。

急な道を下って行くと、稜線上ではツボミだったクロフネツツジが、

キレイに花を咲かせている。写真では表現できないが、道すがら

ツツジの花がずーと咲いている。やや人工的な山上よりも素敵だ。

山全体がツツジの自生地。その密度の濃さは韓国でも屈指だろう。

急な下山路から、林道状の広い道に出る。脱力感に覆われつつも、

のんびり、ツツジを見ながら下って行く。でも何処へ出るのかな?。

行き着いたのは此処。山上の駐車場ではなく、更に下にあるものだ。

いったい何だいくらい収容できるのだろう。止め切れず路上駐車の

列も山上に向かって続いている。我々は車道をトボトボ歩いて下る。

1時間歩いたところに、バス停があった。やはり時刻表はないが、

横には気持ち良さそうな東屋もあり、ここで待ってみることにする。

東屋からは、黄梅山がよく見える。標高の割に雄大な山容の山。

30分も待ったところで、幸いにも、陜川行きのバスがやってきた。

朝のバスで道を尋ねたアジョシも乗っていて、目で会釈してくれる。