五月晴れに恵まれた5月6日。韓国では釈迦誕生日という祝日。
陜川のバスターミナルから、モサンジェ入り口まで2時間かかり、
さらに2時間近く登って、黄梅山の肩辺りまでやっと登って来た。
其処は、カラムラサキツツジが一面に密生する、お花畑だった。
でもなんだか、今までの行程に比べると人の姿が多い。それに、
登山というより、軽い行楽スタイルの人を、チラホラと見かける。
お花畑を進んでいくと、山上に大きな駐車場があるではないか。
これには、かなりガッカリ。黄梅山の緩やかな山容がアダとなり、
ここまで立派な車道が通じている。陜川郡のツツジ祭りが開催中。
数多くの人が訪れるので、山上は公園のように整備されている。
確かにキレイな所だが、歩いて登って来たことを思うと興醒め。
この付近まで来ると、駐車場から来た観光客がほとんどとなる。
道端の平たい岩に座りこみ、パリ・バゲットの菓子パンで昼食。
黄梅山の頂上は、まだ2kmもある。花見は止めて先を急ごう。
良く踏まれたというか、訪れる人が多すぎて、荒れた広い道。
右手の駐車場からの道は、どうやら簡易舗装してあるようだ。
山頂へはボードウォークが設置されていた。こでもしなければ、
周囲のツツジは踏み荒らされ、赤土の露出した道になるだろう。
ボードウォークは傾斜が増すと、階段になり山頂を目指して行く。
数珠つなぎの登山者の列で、写真を撮るのもままならずに歩く。
ようやく踊り場から振り返って1枚。実に広々とした高原風景だ。
階段道が終わっても、登る人下る人交錯し、岩場等は渋滞気味。
山歩きというよりも、ラッシュアワーの鉄道駅を歩いているようだ。
人々が山盛りに、乗っている岩のピーク。あそこが山頂だろうか。
確かに山名碑があるので頂上だ。記念写真を撮るどころではない。
だが最高点に登りたいのは、当然で皆さん果敢に挑戦されている。
我々は時間が無いので、隙間をよじ登り、山名碑にタッチだけした。
北東へ少し進むと、先ほどまでの喧騒が、嘘のように静かになる。
でも振り返ると、頂上の岩はやっぱり、多くの人で混み合っている。
此の先、中峰、下峰というピークを越えて、道は続いているのだが、
バスの時間を考えると、全部を歩いて行くのは、無理なように思う。
適当な所で、南側の屯内里へ下る方が良いのだが、道はあるかな。
山頂は大混雑だったが、多くの人は駐車場から往復だったよう、
縦走路を歩く人は少ない。バスの時間は、気になっているけど、
まだ旅行の2日目。乗り遅れたら、それなりに方法はあるだろう。
北側に陜川湖が見えてきた。この湖の周囲にも2・3登りたい山が
あるのだが、バスの便が有るのか、どうかも分からず、あきらめた。
やがて道沿いに東屋があらわれ、ハイカーが数人休んでおられた。
ここから南に下る道がある。道標もあるが何処へ下るか分からない。
それは先へ進んでも同じことなので、潔く、此処から降りてしまおう。
急な道を下って行くと、稜線上ではツボミだったクロフネツツジが、
キレイに花を咲かせている。写真では表現できないが、道すがら
ツツジの花がずーと咲いている。やや人工的な山上よりも素敵だ。
山全体がツツジの自生地。その密度の濃さは韓国でも屈指だろう。
急な下山路から、林道状の広い道に出る。脱力感に覆われつつも、
のんびり、ツツジを見ながら下って行く。でも何処へ出るのかな?。
行き着いたのは此処。山上の駐車場ではなく、更に下にあるものだ。
いったい何だいくらい収容できるのだろう。止め切れず路上駐車の
列も山上に向かって続いている。我々は車道をトボトボ歩いて下る。
1時間歩いたところに、バス停があった。やはり時刻表はないが、
横には気持ち良さそうな東屋もあり、ここで待ってみることにする。
東屋からは、黄梅山がよく見える。標高の割に雄大な山容の山。
30分も待ったところで、幸いにも、陜川行きのバスがやってきた。
朝のバスで道を尋ねたアジョシも乗っていて、目で会釈してくれる。