摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

無隻山(702m)・・・・・・慶尚南道・金海市・・・2014年5月9日

昨日は、巨済市で泊まろうとしたら、安宿が最低40000Wが言値。

余程景気が良いのだろうが、不釣り合いな値段で泊まる気がせず、

市外バスで釜山に戻って来て、西面の定宿に30000Wで泊まった。

そんな訳で釜山からモノレールで行ける金海市内の山に登ることにした。

まず、市外バスターミナルに向かい、金海市の登山パンフを手に入れる。

市内バス60番または61番で行けるらしい。61番で無隻山入口で下車。

パンフや地図などでは、のどかな田舎と思いきや、金海市内からずっと、

工場街をバスは走ってきた。無隻山入口のバス停も工業団地の真ん中。

とにかく山に向かう舗装路を歩いて行くが、見えている山容は平凡なもの。

ようやく山道の入口に到着した。2010年に金海市によって登山道が

整備されたという記念碑がある。確かに道の状態は、かなり良いだろう。

路肩を石積みで固めてある緩やかな道が、ひたすら九十九に登って行く。

いかにも市がハイキングコースとして、作った道であり、自然に出来た道

とは言えない。何故なら山頂を目指すのなら、なんとも緩やかすぎるのだ。

この山の名所である「揺るぎ岩」に至る。家族が蹴りを入れてみたが、

もちろん微動だにしない。観光パンフレットに3人で押している写真が

載っているので、そのくらいで押せば、本当に揺れるのかもしれない。

揺るぎ岩の横は、展望台になっている。足元には、バスで走って来た

工業団地。工場が谷に沿って所狭しと立っている。中央の山は墓地

のようだ。丸い岩山の地形を生かして、きれいな墓園になっている。

相変わらず道はとても緩やかだ。大きな岩も沢山あるが樹林の高さ

を超える岩は少ない。観光パンフレットによると、奇岩怪石の多い山

ということだったが、このコースはそれほどでもない。やや拍子抜け。

山頂近くには、カラムラサキツツジの花が、少しだけ残っていた。

最後まで道は緩やかなまま、山頂に到着した。大きな山名碑があるが、

展望は良くないし、腰を下ろして休む場所もなかった。少しがっかりだ。

少し戻って、東側に抜けている岩場で昼食にしよう。見えている川が、

太白山脈に流れを発する韓国最長の河川、洛東江(ナクトンガン)だ。

ちなみに西側にも洛東江が見える。一旦、無隻山の北側を蛇行して、

南の海に流れ込んでいるのだ。日本の川に比べると大陸的な風景だ。

山頂近くには、クロフネツツジの株も多いが、ちょうど散ったところ。

わずかに花を残すが、根元にはピンクの花びらが沢山落ちている。

今日の昼ごはんは、コンビニで買ったハンバーガー2個。包装紙の

デザインに魅かれて買ったけど、当然ながら美味しくはないだろう。

最初にそう思って食べれば、まあ諦めもつく。ボリュームはまずまず。

食事を終えればすぐに下ろう。いつまでもいたいと思う山頂ではない。

山頂直下に大きな池。ダム湖ではない。池の奥には何か施設がある。

下ると池から流れ出た水が滝を作っている。韓国語ではこれも瀑布。

樹林の道を下って行くと、右手の斜面に良く踏まれた踏跡があった。

踏跡を少し下れば断崖絶壁。樹林に覆われているが岩山に違いない。

更に下れば、対岸に岩峰が幾つも見える。この景色が観光パンフに

使われていた。つまり此方の道が無隻山のメインルートという訳だ。

道沿いにも大きな岩場が出てきた。此処は岩登りゲレンデとして

利用されている。トップロープ用のアンカーやピンも打ってあった。

道は大きな岩の間を縫うように下って行く。此方から登ったなら、

無隻山の印象も違ったものになったろうと思う。まあ仕方ないな。

道が二手に分かれた。左に進めば、元の工業団地に戻るようだが、

右へ下って行けば、センチョルマウルに下れそう。迷わず右を選ぶ。

村はずれに、鹿を飼っている広い場所があり。鹿達の注目を浴びる。

古い書院もあったり静かな佇まいの村だ。すぐそこに大きな工業

団地があるとは思えない。但し道標はないので逆コースは難しい。

見物しながら歩いていると、市内バスがちょうど走り去る所だった。

中学校前の立派なバス停。やっぱり時刻表が無い。ただ待ち続けて、

1時間後にバスが来た。来るか来ないか分からないバスを待つのは

つらい。時間が分かっていれば、他に行動しようもあったのにな・・・。