摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

鳴聲山(923m)・・・・・・京義道 抱川市・・・2014年1月1日

2014年の元旦は、ソウルの北にある議政府から、山井湖水(サンソンホス)という、

山上湖のそばにある、鳴聲山に登ることにした。ソウルからだと時間がかかるので、

前日に議政府市内の山に登ったついでに、そのまま宿泊し元旦を迎えた訳である。

市外バスターミナルのコインロッカーに荷物を預け、市内バスの停留所へやってきた。

液晶画面の表示があり、何番のバスが、後何分で来るか、今どこにいるか表示される。

だが時刻表はない。なので我々はバス停に来て、ただ目的のバスを待つしかなかった。

山井湖水へは、138−6または138−9の市内バスが行く。バス停で40分近く待ち、

さらに乗車して1時間半で到着した。広い駐車場は早くも観光客の、車で埋りつつある。

鳴声山はやや北側に離れている。片道は車道を歩いて、帰りは登山道で戻って来よう。

最初は観光客向けの食堂がならび、次にはホテルやペンションが多く並んでいる。

右に見える山の険しさに比べ、車道沿いはいたって緩やかで、高度は上がらない。

ペンションが途切れると舗装されていない地道となり、傾斜もでてやがて峠に至る。

峠に小さな看板があって、登山口であることを示すが、地図や案内板は無い。

少し入った所で朝食休憩する。だが少し座っていただけで、凍えきってしまう。

林道状の道は進んでいくと、谷道になり二俣に突き当たる。どっちに行こうか。

持っている略図では左俣が頂上に近い。だがほとんどの踏み跡は右俣の尾根を

登り、一人の足跡だけが左股の沢沿いに入っている。試しに左俣に入ってみると、

スラブ滝が氷結し凄い景観。それに魅かれて、沢沿いの細い道を進んで行った。

道は頼りないがロープが設置されているのが、腕力だけで登る様な所もあった。

足元も分厚いベルグラが張っていたりする。滑落すれば滝壺まで氷の滑り台だ。

怖々ロープに頼って、落ち口まで登ってきた。流心は凍らず、水が流れている。

この先、上流はどうなっているんだろう。ロープは続いているので従って行く。

すると何ことはない。踏み固められた登山道に出た。上の写真は振り返ったもの。

看板には、「登山道の閉鎖。毀損が深刻で閉鎖。他の登山道を利用して下さい。」

と書いてある。先ほど右手に登って行った足跡は、この箇所の迂回路だったのだ。

拍子抜けするほど良い道が続く。南向き斜面は雪も少ないが、対岸は凍り付いてる。

支流が氷瀑となって流れ落ちてる地点まで来た。道も転換し支流沿いに登って行く。

大きなザックの人達が下って来た。ご来光を拝むために、山頂で幕営してたのかな。

尾根筋に出れば雪も少ない。広い尾根にやや単調な道が続く。少し疲れて来た。

尾根から浅い谷筋に道は移り、前方の鞍部目指して登って行く。風は概ね穏やか。

鳴聲山と三角山の鞍部に到着。稜線上には、大勢に踏み固められたトレースがある。

ほんの少し登ると、狭い鳴聲山の頂上に到着した。三角山側を振り返って見る。

風を避けて山頂から、一段下ったベンチで食事にしよう。山頂直下はトーチカだ。

保温ボトルに入れて来た湯でカップラーメンを作るが、ぬるくて全くおいしくない。

これは失敗だったな。三角キムパブと一緒に、何とか流し込む。デザートは薬菓。

狭い山頂には登山者が次々立っていたので、しばらく待って山名碑の写真を撮る。

ちょうど此の場所の真下に、トーチカがあるので、標高は多少水増しされてるかも。

山頂から鞍部へ一旦下って、三角山への稜線。通行は多くて雪は良く踏まれている。

寒いし風も強そうなので、三角山は東側を巻いた。振り返ると鳴聲山に陽が差した。

草原の道を行く。今日は寒いし遠望も利かないが、標高が低い割に展望の良い山だ。

右下に山井湖水が見えてきた。氷上には沢山の人がいる。下山したら行ってみよう。

かなり下ったススキの原に、なぜか山名碑や展望台がある。山井湖水から登って、

此処で帰る人も多いのだろう。赤いポストがあって、「一年後に配達されます。」と、

書いてある。自分に手紙を投かんすれば、一年後に思い出が届くということかな。

ススキの原からは急な階段道が、巨大な岩場の間を下って行く。やや疲れて来た。

大きな岩場だが、斜めに見るので美しくはない。鳴聲山は麓から眺めた方が立派。

ひたすら下るだけ、高度を下げる為だけのアルバイトが続く。下りはやっぱり嫌い。

下山後、氷の上に立ちたいと湖に寄るが、入場料が5000W要ったので断念した。

しばらくスケートやソリで遊ぶ子供達を眺めていた。氷が溶け水溜りが出来ている。

湖に寄ったために、バスに乗り遅れて、1時間近くバス停で待つことになってしまう。

米軍兵士の姿も、チラホラ見かける議政府へ帰って来た。モノレールもある町だが、

一泊してみれば地方都市。今日はソウルに戻って、なにか美味しい物を食べよう。