摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

黄石山(1190m)・・・・・・慶尚南道・威陽郡・・・2013年10月11日

10月10日に釜山入りした。黄石山の登山口は安義だが、宿の数を考えて、

隣町の居昌に泊まった。居昌のバスターミナル午前6時30分のバスに乗り、

安義には7時前に到着。安義のバスターミナルには、市内バスも発着する。

だが路線図や時刻表もなく途方にくれる。そこで、チケット売場のアジョシに聞くと、

「サービー」に乗れと言ってくれた。「4B」と言われたと思ったが、待てど暮らせど、

そんなバスは来ない。来たバス全部の運転手に聞くが分からない。30分経っても

私達がいるので、売場から先のアジョシが出て来てくれて、此のバスに乗れと言う。

そして運転手にも何処で降りるか伝えてくれた。結局、サービーが何なのかは分か

らなかった。相変らず韓国語は出来ないが、親切な人に助けられ、旅を続けられる。

バスの運転手が、此処だと下ろしてくれたバス停だが、さて此処は何処だろうか。

安義のバスターミナルには無かった時刻表が此処には有った。しかし今は8時前。

時刻表に無いバスに乗って来たのか?。とにかくユ洞(ユドンマウル)の入口らしい。

バス停から、一旦峠に登り、緩やかに下って行く。辺りは一面のリンゴ畑が続く。

登山口らしきは全く出てこない。畑仕事をしている村人に聞くが、ユドンマウルは、

まだまだ先のようだ。リンゴを売って欲しかったんだけど、言葉が出来ず言えない。

バス停から30分も歩くと、ユドン村の中心地に着いたようだ。公民館などある。

そして、突き当りの三叉路に、やっと黄石山への道標が現れた。なんかおかしい。

下山路は私達が歩いて来た方を指していない。ま、黄石山に登れれば良いのだ。

村の中や栗林の中を、道標に導かれ歩いていく。村はずれの朽ちた厩舎を過ぎると、

本格的な登山道の入り口に到着。案内登山会の目印が、付いてるので間違いない。

それにしても、群立公園としてはさびしい登山口。駐車場も飲食店も土産物屋もない。

最初は谷沿いの道をずっと歩いて行く。やがて谷を離れ斜面を登るようになる。

明るい落葉樹林が続く、まだ紅葉していないが、次第に色が変わり始めている。

尾根筋に出ると、紅葉した木もチラホラ出てくるが、まだ色鮮やかとは言えない。

尾根筋の道は、次第に岩盤の露出した個所が多くなり、高度がぐんぐん上がる。

展望の良い岩場に出てきた。我々は東から登っている、南から登ってくる尾根が

立派な岩場を見せている。地図によると、あちらがメインの登山コースのようだ。

空は曇り、霞もかかり、見通しは良くない。たまさかの陽光に照らされた黄葉。

主稜線に近づいた方の部分から。おそらく右の岩峰が、黄石山の山頂であろう。

さすがに山頂岩壁下は、標高が高いので、見事に紅葉している。風が強く寒い。

主稜線に出ると、南側からの道と合流する。此処に、昔の城壁が復元してあった。

さほど、大規模ではないが、途中の道標に「黄石山城」と記されたものもあった訳。

山城から頂上へは、急峻な岩場に階段道が設けられている。もう少しで頂上だ。

誰もいない黄石山頂上。秀麗な岩峰の写真を見て、今回の旅行では最初に登ろう

と、勇んできたのだが、平日とはいえども、韓国の山で人に出会わないのは珍しい。

立っていると吹き飛ばされそうに風が強い。残念ながらボーとして展望は良くない。

山頂から岩稜ぞいに、北に向かってロープもついていて、少し進むがどうも怪しい。

風も強いので山頂に戻り、一旦階段道を途中の分岐へ下る。此処から北に向かう。

山頂岩壁の西側の裾を回り込み、鞍部へやって来た。山頂から北側へは一枚岩で、

とてもではないが歩けそうにない。山頂からのロープは、すぐ西側へ下って来ていた。

鞍部から少し登ると、山頂方向の展望の良い岩場があった。風さえ強くなければ、

ゆっくりしたい所だが・・。右手から山頂へ登っているのが、我々が歩いてきた稜線。

此処から道は、巨大な岩壁の下をトラバースしていく。稜線に戻っても樹林の中。

ユドンマウルへの下山路分岐に出た。それにしても草深い。通行は少ないよう。

分岐点からは、沢沿いの道を延々下って行く。さして見るべき物は無かったが、

時折キレイな紅葉と、サルナシの実が沢山落ちていた。味はキーウィそのもの。

沢の最後は、人工的に渓谷を模した作りになっていた。最近に施工されたようで、

夏には子供の遊び場になるのかも。唯一の遭遇者、お寺の犬が見送ってくれた。

振り返って黄石山を望む。特異な山容で面白い山だと思うんだけどな。それほど

人気の無い山なんだろうかな。そういえば、バスターミナルのアジョシも、最初は、

私たちが「箕白山」へ、登ると思い込んでいたので、話が合わなかった節がある。

車道を下って行くと、見覚えのある所に出た。今朝、ユドンマウルに向かって

歩いていた場所だった。この分岐は、黄石山への道標は無いので通り過ぎた。

バス停に戻って、案内図を見直して合点がいった。運転手さんは、さっき

下って来た5.2kmの道を登るように、此処で下してくれた。だけど道標が

無かったので、4.5kmの道まで下ってしまった訳だ。どちらもユドン村内。

安義の町外れから黄石山を望む。結局、安義に手頃な宿は無く居昌に戻る。