摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

五峰山 오봉산(533m)・・・・・・慶尚南道・梁山市…2013年10月14日

この日、大邱から琵瑟山に登るつもりで、玄風(ヒョンプン)へ

バスで向かった。だが、登山口へのバスが土日祝のみの運行で、

琵瑟山登山は諦めて、釜山(沙上)まで、高速バスで戻ってきた。

ならば釜山でどこか登ろうと、急遽この山を選んだ。沙上からは、

地下鉄2号線に乗って、梁山駅まで行けば、登山口も近いだろう。

梁山駅から歩道橋で川を渡ると、親水公園がある。五峰山を望む。

親水公園か、麓にある警察署まで行けば、登山口が分かるのではと、

安易に考えていたら、付近の山裾は工事用フェンスに囲まれていた。

梁山女子高手前を、大きくに回りこんで、北側から取り付きを探そう。

車道を歩いていても案内板等ないので、正式な登山道はなさそうだ。

細い踏跡の入り口に、山火事注意の看板があったので入ってみよう。

まさか韓国で藪道を歩くとは思ってなかった。細いが踏跡は続いてる。

ひとしきり登ると、開けた場所に出た。正面に金井山が大きく見える。

ここは、どうやら造成地のようだ。マンションか何か立つのだろうか。

この日は真夏並みの暑さだ。前日、東京では30度を超えたらしい。

とても広い造成地の法面にはパイプ階段が設置されている。入り口には、

大きなケルンが積んであったので、登山道として利用されているのかも。

ただ、ここまでの登山道は判然としない。道標の類も全く現れてこない。

パイプ階段を登って行くと、足元の造成地にポツンと警察署が見えてる。

山麓とこの台地を含めて、工事現場としてフェンスで囲まれていた訳だ。

警察署の進入路だけ開いている。数年後はどんな状態になってるだろう。

パイプ階段を登った先には、測量用のポールがあった。ここからは道が

次第に良くなる。ただ北側から合流する枝道はあったが、梁山市街方面

からの道は登ってこない。やはりこの付近は登山の対象ではないようだ。

道はどんどん良くなって、普通に登山道と言えるレベルになってきた。

足元に先程までいた、山上の造成地が見えている。ずいぶん登った。

第5峰(449m)の山頂直下に、ようやく道標があり小五峰山とある。

この山は名の通り、5つの峰があるのだが、なだらかで判然としない。

両端の第1峰を大五峰山。第5峰を小五峰山と指す道標もあるようだ。

小五峰山の山頂近くの平地に、運動用具類や東屋が設置されている。

展望台を兼ねた東屋から望む。大きな建物は釜山大学梁山キャンパス。

東屋では女性が、ドングリの皮を剥いていた。トトリムッを作るらしい。

この東屋からは、梁山市街方面に下る道があった。登山者も多そうだ。

少し下った峠状の場所からも、凡魚テドンアパートへ下る道があった。

小五峰山以南は、沢山の道標が設置されてるが、全く統一性がない。

色んな時期にバラバラに設置されたようで、指し示す地名もいろいろ。

なだらかで広い道が続いていく。登って来たヤブ道が嘘のようだ。

右手の杭は119番通報用の標識。これだけが最後まで続いてた。

樹林帯だが南に向かうにつれ、岩場が多くなり時折展望が開ける。

或る日突然、巨大なブルドーザーで一帯を地ならしして作った様な

人工的で新しい梁山の市街。キレイだけど何となく落ち着かない。

歩いていると水平道のような稜線だけど、こうしてみると五峰山

という名の通り、幾つかの峰が並んでいるように見えなくはない。

大五峰山頂の手前には大きな岩場もあるが、裾を巻いてしまう。

五峰山の山頂。それほど展望は良くない。この平凡な山に登ろうと

思ったのは、映画「猟奇的な彼女」のワンシーンに登場するからだ。

映画では、岩峰が並ぶ険しい山に見えたのだが、実際には違った。

山頂から洛東江が見えた。南側が樹林に遮られ十分な展望ではない。

猟奇的な彼女」で、主人公の二人が座っていた岩は別の場所だろう。

下山にかかるが、地図も無いし、もとより何処に下るか決めていない。

山頂直下に、また違う標識が立っている。勿禁方面へ下れば良かろう。

やたらと枝道が多い。とにかく一番通行の多そうな道を下って行こう。

少し下った所から、山頂方向を振り返る。この付近は南側の展望も良い。

南側に、洛東江が大きく見える。ここからが五峰山で一番の景色だろう。

相変わらず枝道は多く、道標は統一性が無く、いろんなタイプが現れる。

勿禁の町外れに下ったようだ。バス道に出て梁山駅行きバスに乗る。

駅前のEマートで、家族は1リットルのジュース。ハムはビールを買い

一気のみする。10月の韓国というのに、夏のように暑い一日だった。