6月に入ってからも、ほとんど雨が降らなかったが、ようやく今週は、
水・木・金曜日と雨が降り続いた。水量も期待できるので沢へ行こう。
一般的な沢の常識とは異なるが、摩耶山系の沢は、雨上がりでもないと、
水量が少なくて楽しめない。ハチノス谷も、いつもは泥と岩屑が詰まる沢。
観測小屋を越えて、最初に現れる3米滑滝。まずまずの水量で期待通り。
いつもなら何気なく通過してしまう段差も、それなりの小滝に見えている。
水量があればこそ落差のある滝に見えるが、小滝が連続しているに過ぎない。
二段6米ほどの滝。上段がややホールド細かい。家族に細引きを垂らして
もらって登る。情けなくて落ち込む。真剣に減量を考えなくてはならないな。
中流の12米滝。六甲学院山岳部誌「たきび」では、蜂の巣滝と記載がある。
クライマーなら、難なく登れるだろうが、我々には無理なので、右手を巻く。
その巻き道から、ハチノス谷西尾根を望むと岩場が見えた。やや脆そうだが、
昭和20年代に、六甲学院の山岳部がゲレンデとしていた「坊主岩」だろうか。
上部にチェックストンのあるヌルッとした小滝。家族は突っ張って簡単に登る。
続いて、下部にチェックストンのあるチムニー滝。家族の得意とするところで、
カメラを構える前に、スルスルと登って行く。ハムは苦手なので巻こうとしたら、
家族に叱られる。フリーで登ったが、中段で躊躇してしまって全身ずぶ濡れだ。
今はハチノス大滝と呼ばれているが、前述の「たきび」では「泥棒滝」と記載
されている。名前の由来を知りたいものだ。やはり落差の割に水量は少ない。
大滝の落ち口脇から神戸港を望む。神戸空港やポートアイランドが見えている。
大滝の上をしばらく遡行して、二俣になった所で右股に進み、東尾根を目指す。
ハチノス谷東尾根の巡視路に出ると、落花したネジキの花の白い絨毯。
少し下った所で巡視路を外れ、天狗梁に向かう。今日は此処で昼ご飯にしよう。