摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

西大山(904m)・・・・・・・2012年12月31日・・・忠清南道・錦山

今回の旅行で4つ目の山だが、ガイド本から冬でも登り易そうな山を

適当に選んで、コピーを持って来ただけ。ほとんど下調べしていない。

天候や積雪、交通に応じて現地で登る山を、臨機に選択したいから、

なんだけど、どうしても情報不足で失敗し後悔することになってしまう。

参考書は「韓国100名山」という新書版の本。交通も簡記されているのだが、

何度か泣かされている。此の山は、錦山(クムサン)ターミナルから登山口の

西大寺まで20分とある。ところが来てみればバスは錦山ではなく、錦山郡の

秋富という大田側へかなり戻った村から出ているようだ。仕方ないタクシーだ。

錦山で朝食と思ったが、開いてる店が無くて、コンビニでカップ麺とキムパブ。

それからタクシーに乗車し、さっき大田からバスに乗ってきた道を延々戻って、

西大寺へ向う。結局、運賃は24000Wにもなってしまった。運転手は喜んで

雪景色をスマートフォンで写したりしてる。此処まで来ることは少ないんだろう。

登山路という看板に従って歩いて行くが、看板があったのは寺の裏までで、後は

雪面に残った足跡について行く。途中で道を失うが、また数名のトレースに合流。

日の当らない樹林帯を上って行く。谷筋を登っている間はまだしも、稜線に出ると

風が吹いて強烈に寒い。ローカットのハイキングシューズに使い捨てカイロを入れ、

100均のフリース手袋の上から、工事用の皮手袋を重ねているが、痛いくらい寒い。

さして見所も無く、樹林の中を淡々と登って行くだけ、退屈してきたころに岩壁が

現われた。滲み出た水が凍っている。右手に斜めに倒れてる柱状の氷が不思議。

ようやく景色が開けてきた、登山口から見えた岩場より、高く登ってきたようだ。

トレースも迷いながら進んでいるが、上へ向っている限りは付いて行くしかない。

雪はそれほど深く無いし、サラサラなのでローカットのシューズにスパッツでも、

靴の中に雪は入ってこない。トレースは昨日の日曜日につけられたものだろう。

木々に雪が張り付いてキレイだ。これを樹氷というのかな。空が青くなってきた。

わずかな間だが岩場を通過して行く。展望が大きく広がる。気持ち良い場所だった。

岩場からしばらくで、平たいピークに辿りついた。向こうに見えるのが山頂だろう。

大きな架線の支柱がある。後でこのピークを山頂から見ると結構な岩場の上だった。

ただ稜線を歩いている限りは、樹林の尾根道で岩場は少ない。冬晴れの今日は、

樹氷が美しく楽しく歩けるが、夏は展望が無いので、やや退屈な山ではなかろうか。

山頂にはコンクリで石を固めた山名碑があった。写真右手は架線支柱のワイヤー。

架線で上げたのだろうか、ショベルカーが2台も駐車してあった。何の工事だろう。

韓国のことだから、来年来たら山頂に大規模な展望台が、立っているかも知れない。

山名碑の前で、シートを広げて座り込み、コーヒーと菓子パンの簡単な昼食を摂る。

風も弱く日当たりも良かったので、すっかり気が緩んでしまったようだ。ガイド本の

略図を確かめずに、沢山の踏み跡のある方を、目的の下山地点と思ってしまった。

当初の予定は、此の尾根を歩いて行くはずだった。此の時は、裏側に下るのではと、

思っていた。というのも一つ上の写真の道標に、目的のドリームリゾートが片側に、

こちら側は寺の名前が書いてあったということもある。それにしても大失態だった。

少し下った所から、問題の尾根を望む。岩場も通過するようで、面白そうな尾根道。

此処を歩かずして、西大山を退屈とは言えない。ただ、此の時はまだ気付いていない。

気温が低いので、陽がさしても木についた氷が、午後になっても落ちないでいる。

開徳瀑布(ケドッポッポ)を示す道標があらわれて、道を間違えたことに気付いた。

よほど引き返そうかと思ったが、大分下って来たし、明日の予定もあるので諦めた。

下りついたのは、開徳寺(ケドッサ)。此の寺の奥に、開徳瀑布(ケドッポッポ)がある。

ドリームリゾートからの登山案内図。我々は一番下のコースを下ってきた。開徳寺

からは北側に向うと、リゾートのバス停に出たようだが、ここでも道を間違えてしまう。

寺から下る私道を通ってバス道に出た。西大山を仰ぎ見る。我々が登った頂上は右端

にすぎない。左に続く尾根筋が魅力的で、やはり歩きたかったな。陽がさして道の雪が

溶けはじめている。やや暖かくさえ感じる、いったい1日の温度差はどのくらいだろうか。

最初のバス停には時刻表が無かったので、次の集落まで歩いてみたが、やはり無い。

村人に聞いてみると、次のバスまで30分ぐらいある。河原に降りて、氷を割ったりして、

時間をつぶしていた。拙い韓国語なので半信半疑だったが、少し遅れたがバスは来た。

秋富のバスターミナルへ到着してから、どうやって大田に帰ろうかと思っていたが、

何のことはない、大田市の市内バスが来ていて、高速バスターミナルも通過する。

下調べが足りなかった為、ずいぶん無駄な時間と金を使ってしまった。残念だった。