摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

新穂高・三枚岩中央稜(仮称)

11月10日の土曜日。今日は先週、失敗に終わった三枚岩の探索をしよう。

ケーブル・ロープウェイを乗り継いで掬星台に向う。あと一ヶ月の友の会乗車。

中間駅周辺の木々が、すっかり紅葉している。ロープウェイからも東谷の紅葉が、

綺麗に見えて車内で歓声が上がる。今年は紅葉の当たり年というのは本当かも。

掬星台周辺も木々も、この一週間で一気に色づいたようだ。

今日も水道管理歩道を下って行く。右手に新穂高の稜線がキレイに見えている。

シェール道に入って最初の渡渉点で、生田川の左岸(上流に向って右側)入る。

新穂高側に向う尾根と沢筋を確認しつつ、先週の渡渉点まで遡行してまた戻る。

見上げれば明るい秋の林。この地点で岩尾根が沢近くまで降りてきているが、

どうやら先週に登った尾根の末端のようだ。更に戻って右手の沢を登って行く。

少し登って行くと、左手に大きな沢、右手に細い沢に挟まれた細尾根が現れる。

なんだか良い感じの尾根だったので登ってみよう。上部で詰まれば戻れば良い。

足元には、モミジの苗木が群生している。踏跡は無いが藪はそれほど濃くない。

何処を登っているのか分かってないので、展望を求めて藪の薄い右手に出る。

西側に新穂高の高圧鉄塔が見える。手前にはスラブも見えていて悪くないかも。

さらに登ると左手に、谷を挟んで先週歩いた尾根が見える。此処までは、又、

同じ尾根に登りつくのではと不安だったが、明らかに違う尾根を登っている。

ザクザクの岩交じりの藪尾根を登って行くと、左手に巨大な岩場が見えてきた。

これが、「三枚岩」であろうか。今までは、沢の源頭のスラブだと思っていたが、

此の尾根から見ると立派なリッジ、或いは、バットレスと呼べるかもしれない。

自分が登っている中央稜(仮称)も、ようやく階段状の岩場が露出してきた。

右手には、スラブの向こうに三枚岩西稜(仮称)さらには、一般道の高圧鉄塔が。

左手には三枚岩のリッジが鋭い。ただし90度を超える岩ではないので、現代的な

ライミングのゲレンデとしては魅力は無いのだろう。永らく登る人はいないようだ。

足元は生田川源流から、菊水山方面への眺望がよい。黄葉した木々がキレイに見える。

登っている限り斜度は緩く、階段状の岩場なので、それほどには高度感は感じない。

ただ振り返ってみれば、そこそこの高度感。浮き岩・浮石多く、立木も枯れ木が多い。

楽しかった岩尾根も終わり。再び藪尾根に突込む。その手前で振り返ると石楠花山。

その昔は草山で、グリーン・ヒルとも呼ばれていたらしいが、今は人工林の黒い山だ。

20米ほどの藪を登れば、高圧鉄塔から上ってくる一般道に出る。ほんの少しで展望岩。

いつもは展望岩で休むが、今日はお腹も空いてて山頂に急ぐ。山頂直下の展望所から。

家島群島が良く見える。ようやく三枚岩の大まかな地形を知ることが出来て満足な日。

おそらく昭和の初期には、ロッククライミングのゲレンデだったろう。登って来た尾根も、

下降路として利用されていたに違いない。当時の様子・呼称等を是非知りたいものだ。