摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

香港アルプス・・・・・・(写真は美しいが、残念なアレコレ)

素晴らしい写真が載っている本である。芸術的という意味ではない。

ガイドブックに載せる写真として、最高の風景を捉えていると言える。

「香港の山って、どんな山?」という問いに、一番良い季節、良い日は、

「こんな素敵な風景だよ」って、教えてくれるような写真ばかりである。

そういう意味で、香港の山の雰囲気を知るには、最良の一書であろう。

だが、残念な点が、数々ある。

●残念その1・・・・地図が小さすぎて地名も読めない。

 香港にも、立派なハイキング向けの2万5千分の一の集成図はあるが、
 なんと、本書に掲載されている地図は、公園の案内板用の地図なのだ。
 案内板の地図というのは、その場所にいる人に便利なように出来ている。
 つまり、まだその場所に行っていない読者には、全く適したものではない。
 本文の内容とは関係なく、出来合いの案内板の地図を貼りつけたために、
 登山口・下山口ののバス停が、地図の範囲外だったり、本文中の場所が、
 対応する地図の範囲に無い。あっても地名の記載が無いことが多々ある。
 たとえ、普通の観光ガイドブックであったとしても、ありえないような状態だ。
 おまけに大きな地図を縮小した為、繁体の漢字だけに 文字がつぶれて、
 読めないものも多い。おおよそ半分以上の地図が上記の理由で役立たず。 


●残念その2・・・・案内文が拙劣で、読みづらく不分明。

 どうしてこんなに読みづらいのか、真剣に考えました。自分の読解力が
 急激に落ちたのか、いや「香港低山散歩」はスラスラと読めるんですよ。
 そもそも、登山ガイドは、素人の登山者が書く物で、プロが書く物で無い。
 それでも読めるのは、掲載の地図を補完するという意識で書くからだろう。
 読者は、地図と照合しながら、本文を読むから拙文でも充分理解できる。
 ところが、本書の地図は前述のような状態だから、それができないのだ。
 一応、そうは考えたが、他の地図と併せて読んでも、やはり解りづらい。
 まるで、他人が撮ってきたビデオを見ながら、ガイドを書いてるようだ。
 さらに真剣に考えて、次の2点が読みづらい最大の理由と判明した。
 ▽第一点は、執筆者は自分で計画を立て、交通機関や地図を調べて、
         行ったのではない。誰かに連れて行ってもらったり、
         グループ登山の一員だったりしたのだろう。だから、
         傍観者のような文になるし、地図の補完もできない。
 ▽第二点は、この本は、ブログの文章をコラージュした物じゃないのか。
         と思えてきた。ブログの写真一枚一枚に、コメントとして
         書かれたものが、写真が無いので解り難くなったのだ。
         本来の目的と違う文だから、解りづらくて当然な訳だ。

 通常ガイド本は、複数の執筆者で書かれるので、上記2点はその内の、
 一人だけに当てはまることかもしれない。が紀行文やブログは書けても、
 ガイド文を書く資格は無い人だ。
         
●残念その3・・・・統一性がなく、索引しにくいレイアウト。


●残念その4・・・・読者の期待を裏切る、軽薄な書名。

なお、上記の詳細については、後日、記述します。